Billy? profile
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■Billy? Profile

1993年に菊池は、Billy? の前身となるノイズユニットを始めた。コンセプトは、即興と電子音である。1994年頃に、ターンテーブル演奏者の高木と出会い数回のライブ演奏を行う。高木は海外のノイズ、インプロ、アヴァンギャルド・アーティストに呼びかけ数枚のCDを発売していた。この頃の演奏は、菊池のアナログなノイズ音/電子音に高木の断片的なターンテーブルの音が絡んでいくという単純ながら直接的な音の断片といった感じであった。菊池の電子音と高木のアナログカットアップサウンドは初期のアルバムの代表的なサウンドを形成していく。
当時から菊池はライブなどでPOWERBOOKなどを使用しはじめていたが、このコンピューターの導入からBilly? の音は変化していった。さらに大阪でコンピューターを使用したノイズをソロで演奏していた石上と出会う。そして、コンピューターを即興/ノイズ分野で応用的に使用することができるかということに対してまだ実験的であった当時に、お互いの関心が一致した結果、石上は加入することになる。このころからコンピューター/テクノ色がBILLY? の全面にあらわれてくる。そして断片的でより音響的な方向性とサンプリングコラージュによるミュージックコンクレート的な方向性を示しはじめた。コンピューターの使用に関しては、菊池と石上には微妙な違いがある。サンプリングコラージュとパルス的な電子音を得意とする菊池に対して、石上のアプローチは、コンピューターそのものがもつ非オーディオ的な響きを意図的に音楽に活用するという感じである。
同じころディスロケーションのサポートメンバーとして活躍していた宇佐美が加入する。彼は、Billy? の中で唯一の楽器演奏者であり、ギターを異物として、さながら有機体とのバイオ的合体を図っているかのようである。音響的センスに長けた彼ならではの奏法は、Billy? の中で異彩を放っている。
数年の後、平尾が加入する。1997年もしくは1998年ごろである。彼は、Billy? のビジュアル部分を担当するが実際は、最大の手間をかけて最小の効果を得るという、経済活動から遠く懸け離れた世界をBilly? にもちこんだ。それはその過程そのものがartという鼻持ちならない価値感が支配する世界に、その無意味さを露呈させることを目的をしているかのようである。テレビを数十台も使用した映像は、その瞬間の成功が常に賭けとなるよう即興性を秘めている。Billy? の中では最エンジニア的な発想をもっているが今後の活動が期待されている。
さて、高木が身辺事情から脱退したのちに加入したのが宮崎である。未だ未知数な部分が多い宮崎だが、その実一番Billy? の中で音響的アプローチが得意である。コンピューターの使用が彼の場合もメインとなるが、その使用法はもっともcoolであるといえよう。3枚目のCD以降に彼のサウンドが表現されている。
宇佐美は、アメリカ留学のため、現在Billy?を脱退しており、2002年には、再び高木が復帰することになった。